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短鎖脂肪酸とは?腸内細菌を増やして腸を元気にする方法

腸内では、食物繊維やオリゴ糖などが分解される時に短鎖脂肪酸という有機酸を作ります。この有機酸の成分はプロピオン酸や酪酸などです。では、短鎖脂肪酸はどのように私達の腸内細菌を増やして体内に良い影響をもたらすのでしょうか。短鎖脂肪酸の主な効果や、短鎖脂肪酸を増やす方法をまとめています。

短鎖脂肪酸

2018年10月18日更新

ニオイペディア編集部

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短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)とは?どんな働きをするの?

短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)とは?どんな働きをするの?
短鎖脂肪酸は私達の腸内で以下のような働きや効果をし、健康や美容などさまざまな面から効果を発揮します。

腸内の抵抗力を高め、炎症を抑制

腸内の粘膜は短鎖脂肪酸により強化されています。短鎖脂肪酸が不足すると粘膜が弱まり、外部からの刺激や細菌などが侵入しやすくなります。短鎖脂肪酸が維持されていることで、あらゆる感染症予防となり腸内の健康が保たれるでしょう。また、炎症を抑制する効果も同時に期待できます。

小腸の吸収を高める

短鎖脂肪酸が働きかけるのは、大腸だけではありません。食べものが胃で消化された後は小腸の絨毛という器官から炭水化物、脂肪、タンパク質、ビタミンなどの栄養素が吸収されます。短鎖脂肪酸は、こうした小腸に存在する絨毛の働きを活性化して栄養素の吸収を高める効果があるでしょう。

便秘を改善する

短鎖脂肪酸の酢酸成分が、大腸の蠕動運動を活性化します。さらに、食物繊維や発酵食品をもとに短鎖脂肪酸が産生されると、善玉菌優勢の腸内として便秘改善が期待できるでしょう。また便秘がもたらすあらゆる腸疾患の予防になります。

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便秘を改善する

大腸ガンを防止

ガンを引き起こしてしまう酵素(βザルクロ二ダーゼ)の活性化を抑制させ、大腸ガンを防止します。食の欧米化が進んだ日本では、いまや大腸ガンは国内の死因上位にあたる疾患です。

血糖値上昇の抑制

日本は飽食の時代となり、糖尿病などの疾患を患う人も多くなりました。糖尿病は、悪化すると下肢の壊死や失明、腎不全などの怖い余病に発展する恐れがあります。短鎖脂肪酸は、血糖上昇を抑制する効果もあるため、糖尿病になる前の予防効果も高いでしょう。

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肝臓や筋肉・腎臓の栄養源

短鎖脂肪酸は腸内だけでなく肝臓・筋肉・腎臓などの他臓器の栄養源となり、健康な身体を構成させます。

代謝を高めダイエット効果も

短鎖脂肪酸は、脂肪の吸収を抑えたり、脂肪の燃焼を高めたりする作用があります。また、食欲を抑える効果も高いため、あらゆる面からダイエットに貢献してくれるでしょう。最近では、“痩せ菌”を増やす酢酸として短鎖脂肪酸配合のサプリメントなどが販売されています。

短鎖脂肪酸を増やす食品

短鎖脂肪酸を増やす食品は、水溶性食物繊維と呼ばれるような食材に多く含有されています。主な水溶性食物繊維には、ネバネバ系のワカメ、昆布、オクラなどの食材やバナナやりんごなどの熟した果物があげられるでしょう。水溶性食物繊維は短鎖脂肪酸を最も増やすことができるため、積極的に摂取することが望ましいです。

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めかぶ画像
また、キノコ類、大豆類などを含む不溶性食物繊維も、短鎖脂肪酸を増やすことができます。このように、2種類の食物繊維をバランス良く摂取することが大切です。

ちなみに、食物繊維不足は以下のような人です。

  • 便が硬い(コロコロしている)
  • ニオイの強いおならや便
  • 便の色が黒っぽい(通常は黄色っぽい)
  • 下痢ぎみ

いくつか当てはまるのであれば、意識して摂取することで必然的に短鎖脂肪酸を増やすことができます。他にも、ゴボウや、ニンニクなどのオリゴ糖豊富な食材や、黒酢や梅干し、キムチなどの発酵食品も、短鎖脂肪酸を増加させるために大切な食材と言えるでしょう。

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最近では、短鎖脂肪酸配合の食用油などがあり、料理や飲み物に加えるだけで手軽に摂取できる油もあります。一般的な食用油と比較すると、エネルギーにやりやすく消化吸収もスムーズです。

毎日の食卓に食物繊維や、発酵食品を摂取するのが難しい方は、短鎖脂肪酸サプリメントを補助活用することも視野に入れましょう。サプリメントによっては、胃の中で溶けることを防いで、直接腸まで届けることのできる“腸溶性カプセル”を使用しています。

さまざまな処方の短鎖脂肪酸サプリメントが販売されているため、自分の飲用しやすい形状や味などを考慮しましょう。また、こうした短鎖脂肪酸サプリメントを選ぶ時は、国内製造された安全性の高いものを選び、用法用量を守ることが大切です。

まとめ

  • 短鎖脂肪酸は腸内で多様な働きをし、健康や美容などさまざまな面から効果を発揮する。
  • 短鎖脂肪酸を増やす食品は、水溶性食物繊維と呼ばれるような食材に多く含有されている。不溶性食物繊維も、短鎖脂肪酸を増やすことができる。
  • 短鎖脂肪酸配合の食用油やサプリメントもあり、手軽に摂取したい方におすすめ。
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