便の臭いが酸っぱいのは正常?なぜすっぱいにおいがするの?
一般的に便というのは臭いというイメージが強いですが、中には便の臭いが酸っぱいという人もいるようです。便の臭いが酸っぱいというのは考えにくいことですが、なぜすっぱいにおいがしてしまうのか考えてみましょう。
2018年08月18日更新
便の臭いが酸っぱいのは乳酸菌だった?
便というのはそもそもどういうものが含まれているのかという点ですが、食べたものの残りカスや腸内細菌の死骸、古くなった腸壁細胞などいわゆる老廃物がメインとなります。
便のにおいというのは腸内細菌がタンパク質を分解したときにできるスカトールやインドールと呼ばれる物質が原因です。本来であればこの悪臭成分があるため、酸っぱいニオイはしないのですが、乳酸菌の働きによって酸性臭がするようになることがあります。
乳酸菌やビフィズス菌といった菌は腸内で有用的に働いてくれる善玉菌に分類され、オリゴ糖や食物繊維といった物質を発酵させます。発酵したオリゴ糖や食物繊維は短鎖脂肪酸を作り出すため、この短鎖脂肪酸が便の酸っぱいニオイに大きく関与しているのです。
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「発酵」なのか「腐敗」なのかで明暗が分かれる
発酵と腐敗は違うものとイメージしがちですが菌が有用的に働く場合は「発酵」、悪影響を与える場合は「腐敗」という呼び方をします。
腸内では善玉菌と悪玉菌が存在し、善玉菌が腸内で優勢の場合は乳酸菌やビフィズス菌が活性化しているため短鎖脂肪酸を生み出し、便が酸っぱいニオイになりやすいです。一方、悪玉菌が腸内で優勢の場合はスカトールやインドールといった強烈なニオイ成分を作り出すため腐敗臭がしやすくなります。
善玉菌が増えることによって便秘の解消だけでなく便のニオイも抑えられ、肌のツヤや身体が軽くなるなど健康に大きく影響するので、しっかりと善玉菌を増やして短鎖脂肪酸を産生させることが大切です。
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「短鎖脂肪酸」が腸の健康を維持する
短鎖脂肪酸という言い方をしていますが、正確には酢酸やプロピオン酸といったように種類があります。この短鎖脂肪酸が酸性であることによって善玉菌が増えやすい環境になり、悪玉菌を殺菌・静菌させることができるのです。
腸の表面はかなり広くそれだけウイルスや細菌によって感染や炎症を起こすリスクが高い場所になります。腸内環境を整えることは健康を整えることと同じだと言われるように、短鎖脂肪酸をどれだけ増やせるかによって腸内のバランス維持が決まるといっても過言ではありません。
ウイルスや細菌による感染や炎症は、腸のバリア機能によって抑えることができるので、短鎖脂肪酸を増やす活動を心がけていきましょう。
では、どのように短鎖脂肪酸を増やしていけば良いのかということですが、具体的には「食物繊維」と「オリゴ糖」を摂取することをおすすめします。
食物繊維は水溶性と不溶性の2種類あり、水溶性の食物繊維は腸内の便に水分を与えてゲル状にすることで滑りやすくして排出を促すのが特徴です。不溶性の食物繊維は水分を吸収することによって膨張し、腸のぜん動運動を促進させて便を排出しやすくします。
食物繊維は水溶性と不溶性ともにバランスよく摂取することが望ましいので、食物繊維が多く含んだ食品を摂取するようにしましょう。
食物繊維は野菜やきのこ類に多く含まれていますが、特に現代人は1日の野菜摂取不足が懸念されていますので積極的に摂ってほしいところです。ピーマンやにんじん、かぼちゃなどの緑黄色野菜には食物繊維だけでなくビタミン・ミネラルも豊富に含有されていますので、腸内だけでなく体全体の健康を保つために摂るようにしてみてください。
一方、オリゴ糖はどういったものかというと、簡単に言えば腸内の善玉菌の餌となる成分です。オリゴ糖によって腸内の善玉菌が増えることで、結果として短鎖脂肪酸が増えるので、オリゴ糖も一緒に摂取するようにしましょう。オリゴ糖はきな粉やいんげん、ごぼう、たまねぎ、はちみつといった食品に多く含まれています。
食物繊維とオリゴ糖を摂取して短鎖脂肪酸を増やしていきましょう。
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まとめ
- 便臭は腸内細菌がタンパク質を分解したときにできるスカトールやインドールと呼ばれる物質が原因。
- 腸内では善玉菌と悪玉菌が存在し、善玉菌が腸内で優勢の場合は乳酸菌やビフィズス菌が活性化しているため短鎖脂肪酸を生み出し、便が酸っぱいニオイになりやすい。
- 短鎖脂肪酸を増やすには、「食物繊維」と「オリゴ糖」を摂取する。