ピロリ菌って？

そもそも口臭は、口の中にいる酸素をあまり必要としない細菌、嫌気性細菌が食べものの残りカスや血液、老廃物といったものに含まれるタンパク質を分解したときに、ニオイの原因となる揮発性硫黄化合物（Volatile Sulfur Compounds : VSC）が発生することで起きてしまいます。

日本口臭学会ではこの口臭を「生理的口臭」と「病的口臭」に大きく分けているようです。生活習慣や性格などからくる口臭を「生理的口臭」と呼び、歯周病や虫歯によって発酵や膿、出血による口臭や、身体の疾患、つまり病気が原因となる口臭を「病的口臭」と呼んでいます。

病的口臭の原因はさまざまですが、最近では胃の内部にいる細菌、ピロリ菌がその口臭の原因と考えられるケースもあるようです。よく耳にするピロリ菌という菌ですが、ピロリ菌とは胃潰瘍や慢性胃炎、さらには胃ガンの原因となる可能性のある細菌で、日本人の約5割の胃に生息しているとされています。

ピロリ菌が胃酸に負けずに胃に生息できるのは、簡単に言うとアンモニアの膜で自分を胃酸から守るためです。

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ピロリ菌が発生するアンモニアが口臭の原因？

ピロリ菌による口臭には、ふたつの理由があります。ひとつ目の理由は、ピロリ菌が胃酸から自分を守るときに発生するアンモニアです。そしてもうひとつは、ピロリ菌が胃を攻撃することにより、食べたものの消化の妨げとなるからです。

消化不良を起こすことにより、胃のなかで食べたものがきちんと消化されず、異常発酵してしまい、その臭いが口臭のもとになってしまうのです。

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ピロリ菌を除菌するには

ピロリ菌がいるかどうかは、内視鏡検査によって胃の組織を採取して検査する方法と、血液、呼吸、便を採取して検査する方法のふたつあります。ピロリ菌の検査については、内科に受診するほか、検査キットを使い自分で検査をしたり、郵送で検査をしたりもできますので、胃カメラ（内視鏡検査）が苦手という人でも安心して検査を受けられます。

胃の中にピロリ菌がいるとわかった場合は、薬を飲むことにより除菌することができます。ピロリ菌は口臭だけでなく、最悪の場合胃ガンの原因にもなってしまうようです。薬を飲むことでピロリ菌が除菌されるのであれば、やはり除菌しておくに越したことはありません。

ピロリ菌が除菌されれば胃潰瘍や胃ガンにならない、というわけでもないですが、気になるようでしたら口臭対策も含めて検査をしてもらいましょう。

ほかにも口臭の原因はさまざま

紹介したように、ピロリ菌が口臭の原因となることもありますが、ほとんどの口臭の場合、生活習慣を見直すことでなどで口臭の予防や改善に繋がります。口臭の原因のほとんどが細菌のかたまりや巣であるプラーク（歯垢）です。口の中が乾いていると唾液の分泌量が少なく、細菌の活を活発にしていまいます。つまり唾液の分泌で口臭の強さも左右されます。

また、虫歯や歯周病を放っておくと、それがまたプラークになったり、炎症を起こし出血や膿により口臭を強くさせます。さらには口臭によっては、呼吸器や消化器、肝臓などに思いもかけない病気がみつかることもあります。

まずは日頃の歯みがきや舌を掃除するなどのケアから始めて、それでも口臭がなくならない、または弱くならないということであれば、まずは歯医者さんを受診しましょう。歯医者さんでも解決できない口臭がある場合、ピロリ菌検査など虫歯や口の中以外を調べてみることも検討してみましょう。

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まとめ

• 口臭は大きく「生理的口臭」と「病的口臭」とに分けられる。
• 病的口臭のひとつとして、最近では胃の内部にいる細菌、ピロリ菌がその口臭の原因と考えられるケースもある。
• ピロリ菌の検査方法は、内視鏡検査によって胃の組織を採取して検査する方法と、血液、呼吸、便を採取して検査する方法のふたつ。