赤ちゃんの尿や汗が甘いシロップのニオイ?!メープルシロップ尿症とは

メープルシロップ尿症

2017年05月04日更新

体臭

ニオイペディア編集部

  • fb
  • line

意外と知られていない、されど危険性の高い病気の1つであるメープルシロップ尿病の原因と治療法をご紹介いたします。

放置すると死に至る?!メープルシロップ尿症の原因と症状

メープルシロップ尿症とはその名の通り、汗や尿などの体液からメープルシロップのような甘い匂いが発生する先天性の病気です。生まれてくる子供の50~60万人に1人の割合と言われているので、知らない方も多いでしょう。

なぜメープルシロップのような甘い匂いがしてくるのかというと、体の中でアミノ酸を繋げてタンパク質にする仕組みに異常が出ているからです。

メープルシロップ尿症ではアミノ酸の内、分岐鎖アミノ酸と呼ばれるバリン、ロイシン、イソロイシンが分解できず、α-ケト酸が体内に溜まっていく事になります。これが匂いの原因とされているので、赤ちゃんの尿の匂いには注意しましょう。

この病気が発症していると赤ちゃんの元気が無かったり、ミルクをあまり飲まなかったり嘔吐するなどの症状が見られます。初期症状だけではそこまで深刻な物はなく普通の赤ちゃんにも見られる症状なのですが、放置すると意識障害や痙攣(けいれん)、筋力の低下などの症状に発展して、さらには発達障害などの重度の後遺症を残す事もあります

最悪の場合には死に至る可能性もあるとされています。
放置すると死に至る非常に危険な病気なので、新生児マススクリーニングにて発見される事がほとんどです。検査で見つかった場合にはすぐ対応しましょう。

メープルシロップ尿症の治療法

メープルシロップ尿症の治療法は基本的に対策を立てるだけです。分岐鎖アミノ酸は食べ物のタンパク質に含まれているので食事制限は基本です。バリン、ロイシン、イソロイシンが含まれていない特殊なミルクを飲ませる必要がありますし、それを生涯にわたって続けていく事になります。

生後間もない状態で、すでに意識障害などの重い症状を起こしている場合には血液透析を行う事になります。メープルシロップ尿症の症状が悪くなる原因は血液中のロイシン濃度が高い事に由来しているので、その濃度を下げる為に血液透析を行うのです。場合によっては交換輸血をする事もあります。

それからメープルシロップ尿症は身体的なストレスを機に発症するケースも存在しています。新生児の時には問題が無かったのに、その後ストレスを感じた事によって体内に異常が発生し症状が現れるのです。

なのでストレスを感じないように注意する事と、尿の匂いに異常を感じたらすぐに病院で検査を受けるようにする事を覚えておきましょう。

先天的な体の異常によって起こる症状なので、根本的な解決が見込める治療法はほとんどありません。ただ肝臓移植をした事によって症状が改善されたという例もあります。

肝臓移植はするべきか

メープルシロップ尿症の治療法は基本的に食事制限のみだったのですが、近年では肝臓移植による軽減治療を行ったケースも存在しています。しかし分岐鎖アミノ酸の分解が上手くいかずに発症するこの病気において、肝臓を移植する事は果たして本当に効果的なのでしょうか。

実はこれらのアミノ酸を代謝する酵素は全身にあるのですが、肝臓にも1割ほど存在しています。なのでこの酵素が存在している健常者の肝臓を移植する事で分岐鎖アミノ酸の代謝が肝臓ではできるようになるのです。

しかし全身すべてをカバーできるわけではないので、根本的な治療ではなく軽減治療となっているわけです。

日本での移植例は少ないのですが海外では実は移植例が多く、治療後の経過も良いという結果が出ているのです。この結果を受けて日本でも移植を治療法の1つとして考えるようになったので、効果はかなり期待できます。

移植はリスクが多いのも事実ですが、メープルシロップ尿症の対策として肝臓を移植する場合は少しだけハードルが低いです。というのもメープルシロップ尿症の患者の肝臓を健常者に移植したとしてもメープルシロップ尿症は発症しないからです。
ドナー提供者を待つ必要はなく、両親から移植する事でも十分な効果が期待できるのです。

メープルシロップ尿症は甘い名前とは裏腹に死にも至る危険な症状の上、ほぼ一生付き合っていく必要のある病気です。子供が健やかに過ごせるためにもしっかりとフォローしましょう。

関連記事赤ちゃんの口臭原因となる3つの病気とは?お口のケアはしっかりと!

まとめ

  • メープルシロップ尿症とは、汗や尿などの体液からメープルシロップのような甘い匂いが発生する先天性の病気で、発症例は生まれてくる子供の50~60万人に1人の割合。
  • メープルシロップ尿症の治療法は基本的に対策を立てるだけ。食事制限が基本で生涯にわたって続けていく事になる。
  • 日本での肝臓移植例は少ないが、海外では移植例が多く、治療後の経過も良いという結果が出ている。

 

  • 関連するキーワード